レッド・ブラッド・イレブン -2ページ目

サプライズな中村俊輔のデビュー

いやはや驚いた。何に驚いたのかというと、中村俊輔のデビュー戦である。


目玉選手として、レッジーナからセルティックスへ移籍したものの、当初からチームにフィットできるかどうか疑問を持たれていた。


スコットランドのリーグは、激しいスタイルのチームが多い。それに昨年に加入した元ブラジル代表選手のジュニーニョ・パウリスタが、全くチームに溶け込めずに退団していった苦い経験があったからだ。ジュニーニョは、上背とフィジカルは無いが、テクニックに優れて、フリーキックが上手いと中村俊輔に似た特徴を持っていた点も不安を煽ったようだ。


スタイルが理解できるようになるまで、少なくとも一ヶ月はかかると言われたが、デビュー戦の俊輔はそんな声をあっさりと吹き飛ばす活躍ぶりを見せた。


ゴールもアシストもなかったが、いきなりのマン・オブ・ザ・マッチデビューにセルティックスサポーター達は大熱狂。能力の高さとスコットランドでもやっていけることを証明できたのだ。


さあ、我らが誇る日本の十番の大活躍が始まろうとしている。今日はゴールを決めたか、アシストを決めたかとみんなで喜び合おう!

評価されないジーコの謎

04アジアカップ優勝、アジア最終予選突破、FIFAランキング 13位浮上。ジーコが日本代表監督に就任してからのタイトルと結果はそれなりにある。これだけ見ればかなりの実績を残しているようにも思えるのだが、なぜかジーコの評価には直接結びつかない。

まぁ、色々と理由はあるが、一番の原因はジーコの持つ戦術が不可解かつ不透明である点だ。ジーコの指導する上で最も大切にしているには「自由」だそうだが、これは一面では選手の意思を尊重する発想ではある。だが、ある意味では放任主義ともとらえられてもおかしくない。これを踏まえた上で「一体何を教えているのか」「何もしてないんじゃないか」と思う人はかなり多数に及ぶ。

その上、新加入選手を呼ばないし、使わない。代表に招集された選手表を見て、何度がっくりとさせられたことだろうか。メンバーを固定化することによって連携を高めるのが目的なのだろうが、限度と言うものがある。現代表選手達が40歳や50歳までプレーできるわけがない。彼らが去った後の日本代表は、国際経験の少ない選手で構成せざるを得なくなり、ジーコ以後は大きな低迷期が訪れるのではないかという不安も日に日に強くなってきている。これでは日本代表監督で結果を残し、将来のブラジル代表監督になろうと考えていると邪推されても仕方が無いではないか。

これらの要因が重なり、監督ジーコの評価は未だに不安定なままだ。ジーコ自身も不満を口にしている。

「負けたら監督のせいで、勝ったら選手のおかげ」

ジーコも日本人が抱いている感情を察しているようなのだが、だったらもっと民意を反映したやり方があるのではないか。これほどまでに代表監督とサポーターに距離がある国は極めて稀なケースだろうから。

立ち止まるな、嘉人!

スペインリーグのマジョルカへ移籍した大久保嘉人は、シーズン途中から移籍したにも関わらず、一年目にしては上々の成績を残した。異論もあるだろうが、3ゴール4アシストは十分な結果だと私は感じている。

よく日本人選手が活躍しない理由を言葉の壁を挙げる人が多いが、これはいかがなものであろう。レアル・マドリーからモナコへ移籍したモリエンテスが大活躍したのは記憶に新しいが、そういった意見を持っている人達はモリエンテスが移籍した途端にフランス語ができるようになったとでも言うのだろうか。そんなことは有り得るはずが無い。

私はモリエンテスの例をここで挙げたが、他国のリーグへ移籍し、加入してすぐに結果を残したという話は別に珍しくも何とも無い。確かに言葉が通じ、チームメイトと分かり合えるのは理想的だが、本当にいい選手ならば、それは大きな問題にはなりえないのだ。

その意味では大久保には期待が持てる。右も左も分からない状態からデビュー戦で1ゴール1アシストを叩き出したからだ。

それに最も素晴らしいのは強靭な闘争心だ。デビュー戦でいきなり膝を蹴られる洗礼を浴びた嘉人だったが、それでもプレーをやめなかった。しばらくした後、マスコミには「治った」と話していたが、実は治るどころかその後の不調の原因になるほどの大怪我だった。

だが、大久保は決して立ち止まらなかった。そして、シーズン終盤戦にはMVP級の活躍につながっていった。

今年の大久保には大勢のスペインのファンも注目している。個人的には日本人初の得点ランキング入りも狙えるはずだと思う。更なる飛躍を目指し、大久保は今年もピッチを疾走する。

何よりも大切なのは「自信」

プロのスポーツ選手に最も必要なものは何か?そう問われた場合、即座にそれは「自信」だと答えるだろう。私はスポーツ選手は実力半分、自信半分でプレーしていると話したフットボーラーを知っている。

自信のある選手、チームは本当に強い。それこそ前々シーズンのアーセナルのようなチームになる。当時の彼らはきっと負ける気がしなかったと思う。シーズンを無敗のまま終えられたのは確実に自信のなせる力だった。

逆に自信を無くしてしまった選手とチームはなかなか元の状態に戻すのが難しい。現在のヴェルディにも言えることだが、慢性的なスランプが常につきまとう。中には自信を取り戻すのに数年を要する場合もあるし、ずっと戻らないことも十分に有りうる。

ある時には自信は選手を絶頂に導き、ある時にはどん底に突き落とす。選手を生かすも殺すも自身次第なのだ。

表面化するDFライン問題

昨夜の対中国戦は2-2のドロー。2点先行されながらも、茂庭と田中達のゴールで同点に追いつく展開だった。成果もあった。だが、課題も残ってしまった感は否めない。

最大の問題は、DFラインの平均身長が際立って低い点にある。昨日に先発した選手の中で180センチを超えているのは茂庭のみ。坪井、茶野は170センチ後半で、日本では珍しくないが、世界のDFの中ではかなり低い部類に入ってしまう。

昨日の試合ではこの平均身長の無さが空中戦の強さに直接つながってしまい、2失点を喫してしまった。監督のジーコは身長の低さはカバーリングでカバーできると豪語しているが、中沢がいなくなった途端に空中戦に弱くなってしまうのでは話にならない。

せめてもう二人はパワーと身長に優れたDFが欲しい。私の独断と偏見で申し訳ないが、鹿島の岩政と名古屋の増川などはどうであろうか?世界のDF界では190センチ前後が当たり前の世界であり、この二人ならば条件を満たしている。

東アジア選手権以後、最も近い代表招集はイラン戦だが、果たしてサプライズはあるのだろうか?

レコバの行き先は何処?

私が個人的に大好きな選手にインテルのレコバがいる。彼のファンタジー性溢れんばかりのプレーと左足から繰り出される強烈なシュートは間違いなく世界屈指のレベルにあるのだが、どうにもこうにもスター選手だらけのインテルでは鳴かず飛ばずの状況に甘んじてしまっている。

だが、レコバはオーナーの大のお気に入り選手であるため、年棒を日本円に直すと10億円を超える(!)サラリーをもらっている。ジダンやデル・ピエーロの年棒が7億円程度であることを考えると、正に世界最高額の年棒をもらっている選手かもしれない。ベンチに座ってばかりの選手に10億円も払うインテルの資金力には驚くばかりだ。

しかし、もうすぐ30歳を迎えるレコバもさすがに現状に不満を持っているようだ。フットボーラーにとって、試合に出られないほど退屈なものはない。むしろ今まで移籍しなかったのが不思議なくらいだ。

現在はレコバの移籍にまつわる具体的な噂はないが、そういった雰囲気は多少なりとも感じられる。移籍を受け入れるクラブは見つかるのだろうか?レコバの動向に注目が集まっている。

フランスで成長し続ける松井大輔

欧州のリーグで一足早く始まったフランス・リーグアン。その舞台に立つ一人の日本人がいる。そう、松井大輔だ。

京都パープルサンガからリーグ二部のルマンへの移籍は昨年のことである。その時点でのルマンの順位は下から数えたほうが早いくらいだった。

しかし、松井が加入してからのルマンは別のチームへと変貌を遂げる。松井自身も合流当初からチームに溶け込む努力を怠らなかった。海外へ出た日本人選手が言葉の問題等でなかなかチームメイトとコミュニケーションが取れないと言う話はよく聞く話だが、松井に限っては例外だったようだ。

レギュラーポジションを獲得した松井は、黒人選手が多く、マークの厳しい二部リーグで存分に実力を発揮した。シーズン中には二試合連続の決勝ゴールもあり、二部リーグのベストイレブンに五度も選ばれた。何よりもハードマーク対策のためにシンプルなプレーを身に付けたのが大きい。こういったプレーは以前の松井にはあまり見られなかった。いい選手ほどシンプルなプレーを心がけているものなのだ。二年ほど前の松井は変に小難しいプレーをして、ボールを奪われるシーンも決して少なくなかった。フランスでの選手生活の中で、これが一番の収穫だろう。

一部リーグに昇格したルマンの開幕戦の相手は、昨年の王者リヨン。間違いなくフランス最強クラスのクラブチームだが、この試合で松井は試合中に初アシストを決めている。

試合は1-2でリヨンに敗れたが、松井本人はあまりのあっけなさに拍子抜けしたと言っている。一部リーグは二部とは違ってテクニック重視になり、プレッシャーが厳しくなくなったので、松井にとってはよりやりやすくなったのだ。何とも頼もしい発言である。その上、サポーター人気も絶大だという。

まだまだシーズンは始まったばかりではあるが、今年の松井には爆発の予感が漂っている。オシャレの国フランスで松井の成長は続く。

フェイエノールト平山誕生に賛成

平山相太がオランダリーグの強豪フェイエノールトへの練習参加が決定した。既に練習には参加しており、契約が前提のオランダ行きだ。

筑波大への進学は引退した後のことを考慮したからだと思われるが、ワールドユースで世界のレベルの高さを再び味わったのが心境の変化を促したのだろう。プロ、それも海外でなら確実にもっと自分を成長させられる。教員になる夢まで捨て、苦渋の決断を下した平山には敬意を表したい。

次の目標をドイツワールドカップに定めた平山。現時点ではまだ入団は決まっていないが、目標を達成するためには一年目からが勝負になる。

超・・・

気持ちいいって、こんな気分ですか?北島康介さん!?

いやはや、何とも気持ちのいい試合であった。試合というのはもちろん鹿島マンU戦のことだが、結果的に戦前の予想を大きく覆す内容になった。

試合はさすがにマンUが支配する時間が長かった。だが、マンU側がゴール前で決定的なシーンを何度も外したのも手伝い、得点はギグスの1点だけに留まった。

逆に鹿島側は、攻めこまれながらもチャンスを演出。この好機を日本代表本山がゴールにつなげた。決めた2ゴールはともにナイスゴールで、当試合のマン・オブ・ザ・マッチに十分に値する活躍であった。

試合終了後のマンUイレブンはいずれも険しい表情で、いかに香港、北京で行われた試合で消耗していたとはいえ、極東の小さな無名クラブに負けた事実は随分とプライドを傷つけたようだ。両クラブの資金力の差は、それこそ天と地ほどの差があるのだが、金満クラブが必ず勝つとは限らないのがフットボールである。対浦和戦では、何とか今日の失敗を生かしたいところだ。

それにしても、しつこいようだがこんなに痛快な気分になったのは久しぶりだ。マンUサポーターには悪いが、普段から日本フットボールの力を甘く見ている連中に辛酸を舐めさせてやったのだ。鹿島の選手達とサポーターのみなさんは、今日の勝利を大いに誇っていい。

底知れないスケール感じる長谷部

さて、本日のジュビロ戦でレアル・マドリーのツアーは一段落し、明日からはマンチェスター・Uの集金ツアーがスタートする。いかに近年は不調と言えど、世界トップクラスのクラブチームであることに変わりはない。

対戦するのは、アントラーズとレッズだが、レッズの長谷部にはことさら強い期待を抱いている。

私はレッズの試合を見ていていつも思うのだが、長谷部には他の選手にはない特別な力を感じている。そう、それこそ日本のフットボールの世界には収まりきらないほどの底知れないスケールを。

本来なら、早期に海外へのクラブへ移籍して欲しい。が、代表に選ばれていない長谷部の知名度は海外では低いし、長谷部自身もあまり乗り気ではないようだ。

今回のマンチェスター・U戦は、海外のクラブに実力を示す絶好の機会だ。このチャンスをぜひとも生かして欲しい。