評価されないジーコの謎 | レッド・ブラッド・イレブン

評価されないジーコの謎

04アジアカップ優勝、アジア最終予選突破、FIFAランキング 13位浮上。ジーコが日本代表監督に就任してからのタイトルと結果はそれなりにある。これだけ見ればかなりの実績を残しているようにも思えるのだが、なぜかジーコの評価には直接結びつかない。

まぁ、色々と理由はあるが、一番の原因はジーコの持つ戦術が不可解かつ不透明である点だ。ジーコの指導する上で最も大切にしているには「自由」だそうだが、これは一面では選手の意思を尊重する発想ではある。だが、ある意味では放任主義ともとらえられてもおかしくない。これを踏まえた上で「一体何を教えているのか」「何もしてないんじゃないか」と思う人はかなり多数に及ぶ。

その上、新加入選手を呼ばないし、使わない。代表に招集された選手表を見て、何度がっくりとさせられたことだろうか。メンバーを固定化することによって連携を高めるのが目的なのだろうが、限度と言うものがある。現代表選手達が40歳や50歳までプレーできるわけがない。彼らが去った後の日本代表は、国際経験の少ない選手で構成せざるを得なくなり、ジーコ以後は大きな低迷期が訪れるのではないかという不安も日に日に強くなってきている。これでは日本代表監督で結果を残し、将来のブラジル代表監督になろうと考えていると邪推されても仕方が無いではないか。

これらの要因が重なり、監督ジーコの評価は未だに不安定なままだ。ジーコ自身も不満を口にしている。

「負けたら監督のせいで、勝ったら選手のおかげ」

ジーコも日本人が抱いている感情を察しているようなのだが、だったらもっと民意を反映したやり方があるのではないか。これほどまでに代表監督とサポーターに距離がある国は極めて稀なケースだろうから。