立ち止まるな、嘉人! | レッド・ブラッド・イレブン

立ち止まるな、嘉人!

スペインリーグのマジョルカへ移籍した大久保嘉人は、シーズン途中から移籍したにも関わらず、一年目にしては上々の成績を残した。異論もあるだろうが、3ゴール4アシストは十分な結果だと私は感じている。

よく日本人選手が活躍しない理由を言葉の壁を挙げる人が多いが、これはいかがなものであろう。レアル・マドリーからモナコへ移籍したモリエンテスが大活躍したのは記憶に新しいが、そういった意見を持っている人達はモリエンテスが移籍した途端にフランス語ができるようになったとでも言うのだろうか。そんなことは有り得るはずが無い。

私はモリエンテスの例をここで挙げたが、他国のリーグへ移籍し、加入してすぐに結果を残したという話は別に珍しくも何とも無い。確かに言葉が通じ、チームメイトと分かり合えるのは理想的だが、本当にいい選手ならば、それは大きな問題にはなりえないのだ。

その意味では大久保には期待が持てる。右も左も分からない状態からデビュー戦で1ゴール1アシストを叩き出したからだ。

それに最も素晴らしいのは強靭な闘争心だ。デビュー戦でいきなり膝を蹴られる洗礼を浴びた嘉人だったが、それでもプレーをやめなかった。しばらくした後、マスコミには「治った」と話していたが、実は治るどころかその後の不調の原因になるほどの大怪我だった。

だが、大久保は決して立ち止まらなかった。そして、シーズン終盤戦にはMVP級の活躍につながっていった。

今年の大久保には大勢のスペインのファンも注目している。個人的には日本人初の得点ランキング入りも狙えるはずだと思う。更なる飛躍を目指し、大久保は今年もピッチを疾走する。