ベンチから出たい増嶋 | レッド・ブラッド・イレブン

ベンチから出たい増嶋

FC東京の増嶋竜也が苦しんでいる。U-20代表でもリべロとして、DFの中心的な存在であるのだが、所属クラブではなかなか出場機会に恵まれない日々が続いている。


ふと周りを見渡してみると、ワールドユースで共に戦った代表の出場選手の中で大学生を除くと、所属先でレギュラーあるいは主力選手になっていない増嶋は珍しいケースになっている。アテネオリンピック代表選手がレギュラーを取ったのが22歳前後だったのを考えれば、この世代は比較的早いことになるのだが、増嶋が相手にしている、日本代表の茂庭とJ屈指のDFジャーンの壁は想像以上に厚い。最近はボランチで活路を見出そうとしているが、プロではろくな結果を残せていないのが現実だ。


増嶋のDFとしての才能は同世代では間違いなくナンバーワンだろう。身長がそれほど高くないので、ヘディングは決して強くないが、フィジカルやスピードは標準以上だし、何よりも増嶋には素晴らしいフィードがある。


その端正な容姿からフットボール以外でも騒がれるが、インタビューでそのことを指摘されると、「僕はそんな甘い気持ちでやってません」と憮然とした調子で答えていた。リーダーの資格と強い気持ちを持った増嶋が化ける時、明日のA代表のDFラインの中核を担う彼の姿があるのではないか。