中田のプレミア移籍は大きな賭け
中田がボルトンへ移籍すると聞いたとき、私は驚きと戸惑いを隠せなかった。
確かに現在の中田がフィオレンティーナでレギュラーを獲得できる確率は、非常に低いといわざるを得ない。
今季のフィオレンティーナは代表級の選手を積極的に補強しており、監督ともそりが合わないとなれば、最早、レギュラー奪取は絶望的である。
だが、イタリアのクラブも含め、海外のクラブはどこも財政難に陥っており、中田の高額な年棒を払えるのは比較的裕福なイングランドのチームだけであり、それが今回の移籍につながった。
実は一番最初にペルージャに移籍した際、イングランドのクラブからも中田にオファーが舞い込んでいた。しかし、プレミアリーグはあまりにもフィジカルコンタクトが多すぎるという理由で拒絶している。
プレミアリーグの速く、強いスタイルが望まれる中で、十年近くイタリアで慣れ親しんでいたフットボールから離別し、果たしてチームにフィットできるのだろうか。
それは誰にもわからない。ただひとつ言えるのは、既に祭典までもう一年もない状況で試合勘やコンディションを整えるために、中田は大きな賭けに打って出たということだ。
以前より中心的な存在ではなくなったとはいえ、いまだ中田の代表での存在感は不変である。移籍が吉と出るか、凶と出るか、今後の中田の活躍に注目が集まっている。