政治とフットボールの関係
90年のワールドカップにて、オシム監督(現ジェフ千葉監督)に率いられてベスト8に入ったユーゴスラビア代表。だがその先には大きな悲劇が待ち受けていた。先の国内紛争によって、すっかり国際的な悪役国家として認識されていたユーゴは94年のワールドカップ出場権を剥奪されてしまう。ユーゴがワールドカップに出場するのは98年まで待たなければいけない。90年の時点では若すぎた代表が94年時に全盛期を迎えるはずだったが、98年の時点で主力メンバーは30歳を過ぎ、既に全盛期を過ぎた感は否めなかった。それだけに出場できなかったのは惜しすぎる。
この頃からフットボールだけに止まらず、ユーゴのあらゆるスポーツ選手たちは自分とは全く関係ない政治問題に翻弄され続けることになる。
よくフットボールの国際戦は国と国との代理戦争だと揶揄されるが、ユーゴの選手達は決してそうは言わない。フットボールはフットボール、皆が皆そう思っている。政治がスポーツに介入する怖さを身を持って知っているからだ。
残念ながらスポーツと政治は切っても切り離せない関係にあるのは紛れも無い事実である。アメリカはユーゴに住む人々から何を取り上げれば一番傷つくかを熟知していた。だからこその出場停止処分であったのだ。さらに次回へ。